国内 2020.02.24
[ 編集部 ]
開幕から6連敗は16チーム中唯一。NECグリーンロケッツがもがき苦しんでいる。
2月22日に秩父宮ラグビー場でおこなわれたリコーブラックラムズ戦にも12-26と敗れた。
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リコー戦は前半を0-12とリードされた。後半6分にもトライを追加されたが、21分にSH中嶋大希、25分にFB吉廣広征がインゴールに入る。12-19と迫った。
しかし、最終的にはさらに1トライを追加されて試合終了を迎えた。
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新しく浅野良太ヘッドコーチ(以下、HC)を迎えた今季。同HCは、「自分たちの強みであったディフェンスをもう一度強力なものにする」と打ち出していた。
しかしシーズンが開幕してみれば、防御が崩壊したわけでなく、アタックがうまくいかず、守りの時間が長くなったことで勝利を掴めない。そんな状況が続いた。
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この日、トライも奪ったFB吉廣は今季で12年目、4月で35歳になるベテランだ。
チーム最年長。國學院栃木高校のコーチになるため、2013年度限りでグリーンロケッツを離れた新HCとともにプレーした経験もある。
その吉廣はリコー戦を終え、「少しずつ良くなっている」と振り返った。
「開幕からの6連敗は初めてなので(チームは)戸惑っているところはありますが、どうやったらそこを抜けられるかというより、目の前の試合にどのように勝つか、というところに集中はできていると思います」
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吉廣が前進していると感じるのは、アタック面だ。ボールを積極的に動かせるようになってきた。スペースのあるアウトサイドに運べる回数も増えた。
NECの防御は、多くのチームが採用する外側が前へ出てフタをするシステムではない。
「うちは、あくまで内側から押し上げていく防御スタイルです。それはそれでいいのですが、練習でのアタック・ディフェンスでもお互いにそれでやってきたので、いざ開幕してみたら(相手の外側が出る防御に対し)うまくボールを運べなかった。試合を重ねていくうちに、そこを修正できてきた感じです」
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実際、リコー戦はWTBが前へ出てチャンスを作るシーンが何度かあった。
ケガで出遅れていたゲームコントローラーのSOスティーブン・ドナルドも今季第4戦のサントリー戦からピッチに立ち、一戦ごとに上向きになっている攻撃を感じている。
ドナルドはリコー防御の頭上や背中を通すパスで外のスペースにランナーを走らせた。周囲の選手たちも、全体でどう動けばチャンスを作れるのか理解が進んできた。
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一歩ずつ前進してきたチームがもうひと殻やぶり、勝利をつかむためには、若い選手たちの主張がカギと吉廣は考えている。
「チームはシステムの中で誰がどこにどう立ち、どう動くかを細かく決めているし、そこを大切にしています。ただ、ときどき思うのは、練習がラグビー教室のようになっているときがある。考えがあれば、若手はもっとものを言っていいと思う。僕は(新ヘッドコーチと)一緒にプレーしたこともあり、意見を言える。そういうことに関し浅野さんは聞いてくれる人。そして、自分でこうした方がいいと判断した時には、思い切って(自分の思うように)動いてもいいと思うんですよね」
グリーンロケッツの良さは、そういう寛容さとも思っている。
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吉廣自身、チームが進化するために自分なりのアプローチをしている。
「(年長者として)若い人たちに伝えられるものは伝えた上で、勝負もしています。あくまで乗り越えてポジションを掴んでほしい」
そうやってこそチームは充実し、選手個々の責任感も増すと思うからだ。
「ひとつ勝てば変わる。そんな気がしています」
経験豊富なベテランは、いま、全員で悩み、努力し、少しずつチーム状況が好転しているからそう思う。
ここから勝利をつかむまでの困難さも分かっているけれど、だからこそ、壁を破った時にチームにもたらされるエナジーは大きい。
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February 24, 2020 at 06:00PM
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