しゃぼん玉の最高の技術が究極のゼファーを生んだ
東京モーターショーで出展され、注目を浴びたしゃぼん玉のゼファー1100。同社の最高の技術、そしてこれまでつちかったゼファーカスタムのノウハウをフルにつぎ込んだ究極の仕様である。
ハイスペックエンジンを高バランスの車体に搭載
生産終了以来かなりの時間が経過しているが、その人気は衰えるどころか、さらなる盛り上がりさえ見せつつあるゼファーシリーズ。とくにカスタムを楽しむ者から絶大な支持を集めていて、パーツメーカーやカスタムビルダーもその人気に注目。それぞれが独自の個性を求めたカスタムゼファーを製作している。
レッドフレーク塗装が刺激的なしゃぼん玉のゼファー1100は、「現在しゃぼん玉が持ちうる技術をすべて投入した“最高”のカスタムゼファー」と、しゃぼん玉代表の金光好樹氏が豪語するだけあって、妥協を一切排したカスタムを敢行している。徹底したカスタムで性能アップだけでなく乗りやすさも実現し、カスタムゼファーの最高峰と言っても過言ではない。
モリワキφ80mmピストンにより1258㏄化されたエンジンにはヨシムラST‐2カムシャフトが投入され、ポート加工、面研、各部バランス加工などによって強大なパワー、トルクを発生する。同様の仕様のエンジンは、しゃぼん玉コンプリートエンジンと名付けられ、これまでに単体で販売された実績も持っている。マフラーは同社オリジナルで、その見た目、カチ上げ角度などを何度も検討した逸品だ。チューニングエンジンに装着しても騒音規制値を超えないというのもありがたい。
エンジン同様、車体、足まわりのカスタムも抜かりはない。前後ホイールはゲイルスピード・タイプSを採用し、17インチとすることでスポーティなハンドリングを求めている。トリプルツリーはアクティブ製の可変オフセットタイプとすることで、ライダーの好みや使用状況に応じてセッティングの変更ができる。フロントフォークはブレーキング時でも極端な姿勢変化がなく、ストリートからサーキットまで、幅広いシーンに対応するハイパープロとし、リヤショックもフロント同様ハイパープロを採用。車体色との相性を考慮してスプリングの色を特注している。スイングアームはアクティブ製のプレスフォーミングタイプ。縦剛性を高めつつ、横方向をしなやかとすることで急激な挙動を抑え、トラクション性能がアップした。ブレンボのキャリパー、ゲイルスピードのφ320mmローターなど、ブレーキまわりも高性能パーツで構成し、その製動力はもちろん、高いコントロール能力も発揮。安全かつ確実なブレーキングが可能になった。
フレームにはガゼットなどの補強は加えられていないものの、金属表面にカーボンを焼き付けて積層するカーボンドライプロテックをフレームに施工することによりフレーム剛性の底上げをはかっており、高速域はもちろん、低速のタイトコーナーでもその効果が実感できる。セパレートハンドル化によりフロント荷重重視のポジションとしつつ、マッコイのステップとスプリームシートスプリームの形状なども徹底追求。ライディングポジションに窮屈さを感じることはない。
カスタムパーツギャラリー

マッコイのビキニカウルを装着し、Z1R風のルックスに仕上げた。ハンドルをセパレートタイプとしてスポーティなポジションを構築しており、大柄なライダーでも窮屈さを感じない

前後ホイールの17インチ化にともない車体姿勢を再構築している。カーボン製のサイドカバー、フェンダー類、テールカウルはしゃぼん玉のオリジナル。ホイールはツートンで仕上げた

メタルフレーク塗装で仕上げることで、個性を強烈に演出している。各部にあしらわれたピンストライプやタンクの縁取りなど、ペイントにも一切の妥協はない

ライディングポジションの構築のためにはシートの素材、形状や高さなどもポイントとなる。シート自体は同社が取扱うスプリームを採用している

サイドカバーやテールカウルは、しゃぼん玉製のカーボンタイプを使用している。塗装の濃淡でカーボンの目を浮き出させていて、高級感をとことん演出する

ブラックで仕上げられたエンジンには、コワースのスケルトンエンジンカバーを装着しメカニカルなイメージを強調。窓の部分にしゃぼん玉のロゴをあしらう

エンジンはモリワキ製φ80mmピストンで1,258㏄化。ヨシムラST-2カムシャフトを投入し、ポート加工、面研、バランスなどのメニューで大幅にパワーアップ

マフラーはしゃぼん玉が今年リリースしたもので、性能はもちろんそのルックスなども徹底的に追求したもの。ゼファー1100のスタイルをシャープに演出

キャブレターはTMRφ38mmを採用し、スムーズな回転上昇、良好な過渡特性を実現した。エアクリーナーはキャンセルされ、ファンネル仕様としている

補機類もぬかりはない。キャブレターの背後にプラズマブースターのユニットをセットしている。他にもT-REVなどの有名パーツを随所に投入している

セパレートハンドルは低い位置にマウントされていて、フロントに積極的に荷重をかけることができる。ハンドルバーはワンオフで、レバーガードも装着した

フレームに溶接などの補強は行なっていないが、表面にカーボンを焼付けて積層するカーボンドライテックを施工しハイパワーエンジンに絶える剛性を実現

ステップはマッコイをチョイス。ハンドル、シートの位置との相性もよく、良好なライポジ作りに大きく貢献。操作性、剛性感も良好で、見た目もGOOD

フロントはハイパープロフォークと可変オフセットステムで構成。ブレーキはゲイルスピードのφ320mmローターとブレンボレーシングのキャリパーの組み合わせ

アクティブ製プレスフォーミングスイングアームで縦方向に剛性を、横方向にしなやかな特性を求めている。リヤショックはフロント同様ハイパープロを採用

ホイールはゲイルスピード・タイプS。車体のイメージに合わせてアルマイトと塗装のツートンとしている。リヤブレーキはブレンボとφ250mmローターの構成
「ZEPHYR1100 by しゃぼん玉」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 1,25cm3 |
---|---|
ピストン | モリワキφ80mm |
カムシャフト | ヨシムラST-2 |
キャブレター | TMRφ38mm |
エキゾーストシステム | しゃぼん玉 |
オイルクーラー | しゃぼん玉 |
ステップ | マッコイ |
ホイール | ゲイルスピード・タイプS |
タイヤ | ピレリ ディアブロロッソⅢ |
Fブレーキ | キャリパー:ブレンボ4ポット ローター:ゲイルスピード |
Rブレーキ | キャリパー:ブレンボ2ポット |
Fフォーク | ハイパープロ |
ブラケット | アクティブ |
Rショック | ハイパープロ |
スイングアーム | アクティブ |
フレーム | カーボンドライプロテック |
シート | スプリーム |
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