2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場が30日、完成した。
建設費の膨張で当初案が白紙撤回されるなどの混乱を経て、36カ月の工期が終了。56年ぶりに東京で開かれるスポーツの祭典の舞台が整った。整備費は1569億円。東京大会では開閉会式と陸上の他、五輪のサッカーの会場となる。
工事を担った大成建設などの共同企業体(JV)が同日、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に引き渡した。今後の名称は「国立競技場」となる。
設計には建築家の隈研吾氏らが携わった。木と緑にあふれた「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに、緑豊かな明治神宮外苑の景観に配慮して高さは約47メートルに抑えた。ドーナツ形の屋根部分には国産木材を活用し、コンコースや競技場の周辺は約4万7000本の植栽が施された。
約6万席を設け、木漏れ日を意識して白、黄緑、茶などの5色をモザイク状に配置した。屋根の付け根部分には暑さ対策として、外部からの風を取り込む機能を設けた。
陸上の走路には、海外メーカーの高速トラックを採用。無線LAN(Wi-Fi)を1300台ほど設置し、大勢の観客がスマートフォンで会員制交流サイト(SNS)に写真や動画を投稿する事態にも備えた。
12月21日にオープニングイベントを開催し、スポーツでは来年1月1日のサッカー天皇杯全日本選手権の決勝が最初の大会となる。
当初案は世界的な建築家ザハ・ハディド氏が手がけたが、近未来的なデザインと巨額の工費が問題となり、15年7月に白紙撤回された。東京大会後に民営化する方針だが、計画の策定時期は20年秋以降に先送りされた。(共同)
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November 30, 2019 at 10:03AM
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