日本のエースが米国のエースに投げ勝った。リーグ戦1位のビックカメラ高崎(群馬)がトヨタ自動車を3-1で破って決勝に進出した。上野由岐子投手(37)が7回を143球5安打1失点に抑えて完投。2年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。

前日登板せず、万全の体制で挑んだ上野だったが、序盤から際どいところを見極められ、初回から4回まで毎回得点圏に走者を背負うなど、トヨタ自動車の粘りに苦しんだ。四球は4、球数も5回途中で100球を超え、我慢の投球が続いた。それでも数々の修羅場を経験しているエースは、時より笑顔を見せるなど動じることなく、打者を打ち取っていった。

上野を好リードし、自身も4回に本塁打を放つなど、攻守で活躍した主将の我妻悠香捕手(24)は「上野さんが踏ん張って投げてくれたし、いい守備もあって勝つことができた」とお立ち台で笑顔を見せた。

トヨタ自動車は前日に8回を完封したエースのアボットが7回5失点と力尽きた。打線もチャンスは作ったが、あと1本が出ず、上野の前に5番長崎の適時打による1点に終わり連覇はならなかった。

午後に行われる決勝は、リーグ戦2位のHondaと対戦する。【松熊洋介】