水中や水辺の生き物を調べて企画展を開いたり、書物にまとめたりしているＮＰＯ法人「北九州・魚部（ぎょぶ）」が、活動拠点を置く北九州市小倉北区にカフェを開いた。生物の水槽を置き、魚や昆虫、植物などに関する本が並ぶ。生き物好きが気軽に立ち寄り、会話を交わす場を目指している。
カフェは９日、同区下到津５丁目に開店した。オーディオショップだった空き店舗を改装。通りに面した大きなガラス窓から陽光がさし、店内には古びた机や棚が並ぶ。おしゃれだが、どこか「理科室」を思わせる雰囲気も漂う。
「棚は九州大学医学部にあったもので、机は九州帝大時代のものだそうです」と話すのはＮＰＯ理事長の井上大輔さん（４９）。九大箱崎キャンパスの移転で廃棄されそうになった家具などを保存するプロジェクトから借り受けたという。
井上さんは高校教諭で、１９９８年、赴任先の福岡県立北九州高校で生徒に「川に入って魚を探そう」と呼びかけたのが「魚部」の始まりだ。県内の川や池、沼に足を運び、希少なハゼやゲンゴロウの生息場所を見つけたり、絶滅が危ぶまれる水草やタナゴを保護したり。サントリー地域文化賞に選ばれるなどユニークな活動は注目を浴びた。カフェ設立の責任者、工藤雄太さん（３１）も「魚部に入りたくて北九州高に進んだ」という教え子の一人だ。
２０１３年、井上さんが転勤し…
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December 10, 2019 at 09:43AM
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