ののちゃんのＤＯ科学
「ウッカリカサゴって魚がいる？」
東京都・長安祐樹さん（小２）からの質問
ののちゃん ウッカリカサゴって魚がいるんだって？ 変な名前だ。
藤原先生 でも、標準的な和学名よ。カサゴに似ているけど別の魚なの。うっかり間違われやすいから、という理由で命名されたそうね。
のの もっと探したら、オジサンって魚を発見。なんじゃそりゃ。
先生 名前の由来も「おじさんみたいな顔だから」って、変わっているね。ひげが下あごから垂れて、なかなかのひょうきん顔。オジイサンという呼び名もあるそうよ。
のの ねえねえ、ほかにも魚の名前でおもしろい話はない？
先生 カラスやウミスズメという魚がいるし、コンペイトウとかヨダレカケって名前もあるわね。あと、これは知っている？ 「ヤツメウナギはウナギじゃない」って。
のの ギョギョ！
先生 いやいや、他の魚ともずいぶん違うの。多くの脊椎動物にある「あご」を持たない円口類という仲間ね。骨格も未発達だし、胸びれや腹びれもない原始的な生き物で、「生きた化石」と呼ばれるよ。
のの 名前にだまされちゃう。
先生 呼び名があてにならない魚は、まだいるわ。たとえば、イシダイとかキンメダイみたいに「○○ダイ」と呼ばれる魚は、地方での呼び名も含めると２３５もいるけど、このうちタイ科に属するのは７０ほど。ベラやイサキ、アジの仲間にも○○ダイって名前が付いているのね。
のの 「名はタイ（体）を表す」とは限りません。
先生 おっ、うまいこと言うね。あと、おとなになると名前が変わっちゃう魚もいるよ。
のの イナダが大きくなるとブリになるでしょ。セイゴやフッコのおとなはスズキと呼ばれるし。
先生 成魚と幼魚で別の魚だと誤解されていたケースもある。リボンイワシという小さな魚はクジラウオの幼魚なのに、長いこと異なる魚だと勘違いされていた。しかも大人になっても雄と雌で体形が違うし、呼び名もばらばら。遺伝子を調べて同じ魚だと突き止められたわ。
のの へえ。それで結局、イワシの仲間だったの？ それとも、まさかクジラ？
先生 どちらでもなくて、キンメダイに近いのよ。
のの ふーん。魚は見かけによらないね。
先生 見かけと言えば、タツノオトシゴって不思議な体形でしょ。でも立派な魚なのよ、知っていた？ 雌が産んだ卵を、雄がおなかに抱えて守ることでも有名ね。まあ、魚の世界では、雄の子育てはそれほど珍しくないんだけど。
のの 本当にドラゴンみたいな顔をしているなあ。
先生 別名もたくさんあって、ウミウマ（海馬）やカイバ（海馬）、ウマノコ（馬の子）とも呼ばれるよ。馬の顔にも似ているでしょ。英語もシーホースで「海の馬」。
のの いろいろギョざいますね。（取材協力＝川口眞理・上智大理工学部准教授）（伊藤隆太郎）
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December 02, 2019 at 08:26AM
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