2020年02月23日09時02分
◆ゴルフジャーナリスト・舩越 園子◆
バスケットボール界のレジェンド、コービー・ブライアントが1月26日にヘリコプター事故でこの世を去って以来、米国で開催されたスポーツ大会の多くが「ブライアント追悼大会」になった。
米男子ゴルフツアーのフェニックス・オープンも、その一つだった。開催コースであるTPCスコッツデールには、ブライアントが所属していたレーカーズのユニフォームを着た人々の姿があちらこちらに見られた。
最終日には名物ホール16番のピンフラッグの表裏にブライアントの背番号「8」と「24」が付されるなど、米ツアーによる粋な計らいもあった。
大学時代にバスケットボールからゴルフへ転向したトニー・フィノーは、幼少時代もプロゴルファーになってからも、30歳になった今でも、ずっとブライアントに憧れ続けてきた。
そんなフィノーが今大会で優勝目前まで迫った時は、誰もが彼の傍らにブライアントの魂を感じたのではないだろうか。
◇気長に待てばいい
しかし、優勝したのはフィノーではなく、同じ米国人選手で34歳のウェブ・シンプソンだった。シンプソンは2012年全米オープンを制したメジャーチャンピオン。
今大会で米ツアー通算6勝目を飾ったのだが、彼の歩みは決して平たんではなかった。
ゴルフルール改正により、大学時代から「武器」にしてきた長尺パターを通常の長さのパターへ持ち替えざるを得なくなった14年の秋ごろから、シンプソンは成績不振に陥った。
パットのみならず、ショットも不調になったが、彼は諦めることなく練習と努力を続けた。
だが、頑張っても、頑張っても、報われない日々の繰り返し。いつになったら調子が戻るのか。いつになったら転機が訪れるのか。焦燥感にさいなまれていたシンプソンに、彼の父親はこんな言葉を掛けたそうだ。
「転機は準備ができるまではやって来ない。だから、その到来を気長に待てばいい」
この一言にシンプソンは救われ、笑顔が戻った。それが18年のプレーヤーズ選手権で飾った復活優勝へ、そして今回の逆転優勝へとつながった。
◇ないという理由はない
折しも同じ週、欧州ツアーのサウジ・インターナショナルで40歳の英国人、グレーム・マクダウエルが欧州ツアー通算11勝目を挙げた。
彼も10年全米オープンを制したメジャーチャンピオンだが、近年は年齢を重ねるにつれ、勢いや成績が下降気味だった。
米ツアーでは昨年も1勝を挙げたものの、それは世界選手権と同週開催で賞金額も低い小大会だった。そもそもの主戦場である欧州ツアーでは14年を最後に勝利から遠ざかっていた。
「もう一度、若い選手たちと伍(ご)して戦いたいと思い、この1年半、ハードワークを積んできた」
サウジ・インターナショナルの優勝会見でそう明かしたマクダウエルは、猛練習の効果がわずか1年半で出たことは「想像以上の早さだ」とうれしそうだった。
衰えを感じていたマクダウエルを駆り立てたものは、ある人物からの一言だった。
「僕のコーチのケビン・カークが、こう言ったんだ。『キミのキャリアにおける最高のゴルフが、キミの人生のこれから先に、もはやないという理由はない』ってね」
つまり「ある」ということ。キャリア最高のゴルフを40代になったこれから先の人生において披露することはできるはずだというコーチの言葉に、マクダウエルは「はっとさせられ、頑張ろうと思った」。
ゴルフはメンタルなゲームだからこそ、温かい一言に元気づけられ、勇気づけられる。
そして「転機は準備ができるまでは来ない」と言ったシンプソンの父親の言葉も、「キャリアの最高はこれからだ」と言ったマクダウエルのコーチの言葉も、人生100年時代の私たちへの何よりのエールになるのではないだろうか。
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February 23, 2020 at 07:02AM
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2人のベテランを元気づけた言葉【スポーツコラム】 - 時事通信ニュース
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