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サラ玉の生産から販売まで 小学生が「会社」に挑戦 熊本・津奈木小 - 朝日新聞デジタル

 えっ!?小学生が会社!? そんなキャッチコピーがネット通販のサイトに躍る。地元名産のサラダタマネギの生産から販売までのすべてに、熊本県津奈木町の津奈木小(197人)の児童が挑戦、「完売御礼」を実現した。プロも驚いた販売戦略の秘密は?

 24日午後、津奈木小の広場に、収穫したばかりのサラダタマネギが詰まったケースが並んだ。5、6年生が「選果」「箱詰め」「お礼の手紙の収納」など作業を分担。約1時間かけて、出荷する5キロ入りの段ボール300ケースをととのえた。

 同小がサラダタマネギづくりを始めたのは2013年。耕作放棄地の有効活用と食の教育を同時に実践するのが町のねらいで、学校給食に出したり、「道の駅」で販売したりした。

 ところが20年春のコロナ禍で行き場を失った。そんなとき、ネット通販を運営する「食文化」(本社・東京)が、余った給食食材の販売に取り組んでいたことから、サラダタマネギも同社の通販サイトで販売してもらったところ、200ケースが完売。それどころか、全国から「また買いたい」という手紙が届いた。

 「生産、収穫だけでなく販売まで挑戦したい」という声があがったことから、町と食文化は昨年12月に連携協定を締結した。

 1・2年生(現2・3年生)が出荷用の段ボールにイラストをあしらい、3・4年生(現4・5年生)がタマネギづくり、5年生(現6年生)がネット通販のページやメールマガジンづくりに取り組むことになり、5年生は今年3月にオンラインでネット通販の仕組みといった「WEBマーケティング」を学んだ。

 講師を務めた同社取締役の井上真一さん(46)はいくつかコツを教えた。

 「サラダタマネギは『甘い』といっても消費者にはわかりにくい。具体的になにかにたとえたら」

 それ以上は特に教えなかったが、通販サイトには「津奈木小のサラダ玉ねぎは みかんと同じ甘さ!」というキャッチコピーが添えられた。

 井上さんは「商品のよさだけでなく自分の言葉や気持ちを伝えることも大事」とも伝えた。すると、商品紹介に次の文言が入った。

 「津奈木町は、公害の原点と言われる水俣病の被害を受けた地域です。そのため、化学農薬や化学肥料を半分にしたりするなど環境に優しく、安心・安全な生産方法を行っています」

 井上さんは「みんな自分たちでよく考えた。水俣病の歴史は、私たちなら省いたかもしれない」と子どもたちをたたえた。

 今回の総売り上げは30万円。受け取った学校はいったんPTAに寄付した後、来年のサラダタマネギ販売に活用したいとしている。(今村建二)

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