甲子園ボウル出場を懸けた西日本代表が決まる大一番が、午後2時5分に開始される。

4年ぶり10度目の出場を狙う立命大(関西1位)か、4年連続53度目の出場を目指す関学大(関西2位)か。会場は開門前から両校の学生やファンらが長蛇の列をつくった。

今秋の関西学生リーグで6勝1敗となった両校はともに優勝となり、直接対決で勝った立命大が1位扱いになった。敗れた関学大が2位扱いで、西日本代表を決めるトーナメントに回り、西南学院大と神戸大を破って、再び立命大への挑戦権をつかんだ。1週間ごとに2試合を戦ったことで、関学大は体力面などがハンディになりそうだ。11月10日以来の試合となる立命大は実戦感覚が鍵を握る。

関学大は今季限りでの勇退を表明している鳥内秀晃監督(61)も注目される。負ければこれが最後の試合。勝てば甲子園ボウル、ライスボウルへと道が開ける。鳥内監督は92年に母校関学大の監督に就任。監督として甲子園ボウルでは11度優勝し、ライスボウルでは01年度に優勝を飾った。今季で監督28季目となり、関学大監督では最長となっていた。今年2月に自ら退任を公表し、1年間かけて部の環境を整えてきた。

11月27日の公開練習では、鳥内監督は「負けたくない。僕以上に4年生は思っている。これで終わってええんか。ここで意地を出されへんかったら格好悪い。お互い、そこちゃいますか」と意気込んでいた。

鳥内監督はアメフト界では屈指の指導者として有名だったが、18年5月の日大との定期戦で起こった相手側の悪質タックルで関学大の選手が負傷し、一気に社会問題に発展した。ワイドショーにも記者会見のVTRなどで鳥内監督が何度も登場する異様な状態になった。同監督は「あってはならないこと。これを認めるとスポーツは成り立たない」と毅然(きぜん)とした態度で日大側を批判した。

略歴は次の通り。

◆鳥内秀晃(とりうち・ひであき)1958年(昭33)11月26日、大阪市生まれ。大阪・摂津高時代はサッカー部で全国選手権出場。関学大監督だった父昭人氏(故人)の影響で関学大でアメフトを始め4年時に副将、卒業と同時に米国コーチ留学に。86年関学大守備コーチ、92年監督就任。息子3人も同部で指導した。関学大スポーツ振興・統括課所属。16年大学世界選手権日本代表監督。家業の製麺会社も経営する。