フィギュアスケート女子で2018年平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダルのロシアのアリーナ・ザギトワ(17)は13日、同国の政府系テレビ「第1チャンネル」の番組で、選手としての活動を停止すると表明した。今後も練習は続けアイスショーには出るが「私は既に勝利した。人生の全てを手にしている」と発言。事実上の引退宣言と受け取られている。

ザギトワは今月末のロシア選手権に出ないと明言。「ロシアのスケート界は若年化が進んでいる」と話し、自分より若い選手の台頭が決断の背景にあることを示唆した。

ザギトワは15歳で出場した平昌五輪で、世界選手権2連覇中だったエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)との激戦を制し、五輪史上2番目の若さで頂点に立った。

今年3月の世界選手権で優勝したが、今季は同じロシア勢で3回転半や4回転ジャンプを武器とするアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワの3選手が表彰台を席巻。今月トリノで行われたグランプリ(GP)ファイナルで最下位の6位だった。

平昌五輪後は以前から気に入っていたという秋田犬が秋田犬保存会から贈呈された。勝利の意味を込めて「マサル(勝る)」と名付け、式典には安倍晋三首相が立ち会うなど、日本人からも大きな注目を集めた。 

現在は大学入学に向け勉強を始めているとし「今後は、スポーツ大学に進学し、コーチを目指すことになる」と語った。(共同)