デジタルワールドは、その発展とともに徐々に“人間の身体”の情報をその内部に取り込んでいくことになります。手元のコントローラーから全身でまとうスーツまで、様々な手法を使って人間の動きをデジタルワールドに伝えます。身体の情報を取り込みスポーツとしての意義を持ったことから盛り上がりを見せているのが「eスポーツ」です。2回にわたって、eスポーツとAI(人工知能)の関係を解説します。
本連載では以前、リアルワールドの情報をリアルタイムに写し取ってデジタルワールドを作り上げる手法「デジタルツイン」、リアルとデジタルの2つの世界を合わせる「ミラーワールド」を紹介しました。
ミラーワールドでは、現実の身体とゲーム内の身体は等価に扱われます。例えば、「Ingress(イングレス)」(米ナイアンティック、2012年)というゲームでは、自分の身体そのものがゲーム世界に影響を及ぼす「エージェント」の役割を果たします。キャラクターをゲームマップ上で移動させるためには、現実空間を実際の距離だけ自分自身が移動する必要があります。
デジタルワールドでは、ユーザーの一挙手一投足がエンハンス(拡張)されます。例えば腕を振り下ろせば炎の魔法が放たれ、目を凝らせば壁の向こうが見え、軽くジャンプすれば10メートルの壁を越えるといった具合です。ゲーム内では、ユーザーの身体がプレーヤーの身体として何十倍にも能力が拡張されるのです。
人間の身体感覚は非常に柔軟であり、脳は拡張された身体へ即座に適応する能力を持っています。このような高い適応力によって、デジタルゲームが成り立っているわけです。
身体の情報を取り込んだゲームは、次第にスポーツとしての意義を持つようになります。現実と同様、人は身体能力を競い合う本能を持つからです。ゲームが身体性を持つと、同時に社会的な競技性も帯び始めます。競技性を持ち社会性も持つデジタルゲームは、「eスポーツ」と呼ばれます。eスポーツは現在、大きな潮流となって社会に広がりつつあります。
eスポーツは、ゲームのデザインとして見て楽しく、しかも見応えがなければなりません。ゲームがコンテンツの生成装置として使える可能性については、以前からゲーマーの間ではよく語られていました。実況動画やプレー動画は00年代前半のゲーム雑誌では既に付録のDVDに収録されていましたし、ゲームセンターのスクリーンでもよく投映され流れていました。
例えば「機動戦士ガンダム 戦場の絆」(バンダイナムコエンターテインメント、06年)は、ロボットを操縦してチームに分かれて最大16人で対戦できるアーケード・ゲームですが、巨大なカプセル型きょう体に入って遊ぶと、外側に設置された戦局全体を見渡せるスクリーンで、観客も一緒に見てプレーを楽しむことができました。
最近は、本格的な動画配信サービスが登場し、実況動画やプレー動画を多くの人が楽しむようになりました。ゲームがコンテンツ生成装置として大きな力を持つことが、世間に徐々に知られつつあります。
世界で起こった4潮流
さて、現在のeスポーツには大きく分けて4つの流れが存在します。(1)「日本におけるゲームセンターでの対戦文化の流れ(1980年代~)」、(2)「米国・北欧を中心とするFPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームの対戦の流れ(00年前後~)」、(3)「韓国におけるeスポーツ文化の流れ(97年~)」、(4)「世界的なMOBA(マルチプレーヤー・オンライン・バトル・アリーナ)スタイルのチーム対戦ゲームの流れ(10年~)」――です。これらを順番に解説していきます。
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