●恩讐越え 8月販売、全国に発信
富山市八尾町の伝統行事「越中八尾おわら風の盆」が9月1~3日、3年ぶりに開催されるのを前に、町中心部の酒蔵2社が、互いの日本酒をブレンドさせた新商品を完成させた。170年以上、近隣で火花を散らす老舗のライバルが恩讐(おんしゅう)を越え、互いの酒の個性を生かしながら古酒と新酒の2種をまろやかな味わいに仕上げた。8月に全国発売し、コロナ禍を経て復活する風の盆の盛り上げに一役買う。
タッグを組んだのは、1808(文化5)年創業の玉旭酒造(富山市八尾町東町)と、1848(嘉永元)年創業の福鶴酒造(同西町)。風の盆が一昨年、昨年と中止になる中、第1弾の商品を昨年、富山県内で共同販売した。今年は第2弾として、北陸酒販(富山市)が協力し、インターネット通販による全国発売を決め、27日から予約を開始した。
商品名は「八尾ブレンド」。両社の19年産の古酒同士、22年産の新酒同士をそれぞれ半分ずつ混ぜ合わせた。ブレンドした古酒は熟成させたうまみが合わさって濃厚な味わいとなり、ブレンドの新酒はフレッシュで軽やかな仕上がりとなった。福鶴が古酒、玉旭が新酒のブレンドを担った。
ラベルのデザインは両社が手を携えたイメージを八尾の「八」で表現した。古酒と新酒それぞれ720ミリリットルの2本セットで価格は1万円(送料、税込み)。今後、県内の酒販店向けに純米酒の製品も用意し、8月20日から販売する。
両社は約100メートルの距離に互いの酒蔵を構えており、関係者によると、八尾町に飲食店ができると「どちらの酒を扱ってもらえるか」と激しい営業合戦を繰り広げてきた。5月の越中八尾曳山(ひきやま)祭では八尾町の家々が「お花」として奉納する日本酒の数も気にし合う関係にあるが、「コロナ下で戦うべきは相手の蔵でない」と協力することにした。
玉旭酒造の玉生(たもう)貴嗣社長(47)は「おわらがなかった期間、熟成して味わいを深めてきた酒同士の出合いを楽しんでほしい」と語り、福鶴酒造の福島淳社長(54)は「一方の酒だけでは決して得られなかった味の丸みが加わった。全国のおわらファンに味わってほしい」と力を込めた。
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