富士通が16-14でオービックを下し、レギュラーシーズン1位での準決勝進出を決めた。試合終了と同時にDB樋田祥一(34)が劇的なFGブロックを決め、2点差で逃げ切った。

敗れたオービックは2位。神戸市王子スタジアムでパナソニックが41-9でエレコム神戸に勝って3位となった。エレコム神戸は4位。この結果、30日の準決勝の組み合わせは、富士通-エレコム神戸(富士通スタジアム川崎)、オービック-パナソニック(大阪・万博記念競技場)に決まった。

試合時間残り2秒、オービックがゴール前9ヤードまで進み、K星野が26ヤードのFGトライ。追い風もあって、誰もがオービックの逆転勝利を疑わない場面だった。しかし、富士通の百戦錬磨のDB樋田は「俺が止めてやる」とブロックを狙っていた。中央に割って入り、両腕を思い切り伸ばすと、ボールは左前腕に当たってはじき飛ばされた。転がるボールを味方が押さえて試合終了。富士通の劇的勝利が決まった。

「ケガもあったが、まだまだ自分はやれると思っていた」という樋田。「どこかでアピールしてやろうとも思っていた」。それが、最もおいしい場面でのビッグプレーにつながった。「こんなことは会社に入って初めて」と、笑顔でファンとの写真撮影に応じた。

試合はオービックが第1QにQBハワードのTDランで先制。第2Qに富士通がQBバードソンとRBグラントのTD2本で逆転した。しかし、第4QにオービックがRB地村のTDランでひっくり返した。富士通は後半、バードソンをケガで欠き、苦しい展開となったが、最後は王者の総合力で、第4Q残り2分11秒でのK西村の23ヤード逆転FGを勝利に結びつけた。