魚食離れが進む日本において、どうしたら魚介類の摂取量が増えるかという問題は、国だけではなく、企業にとっても大きな課題かもしれません。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
魚食量低下の主な理由5選
厚生労働省『国民健康・栄養調査』によると、2006年頃から、魚介類の摂取量は肉類を下回り始め、現在も差は拡大し続けています。
サカナから遠ざかっている理由も様々ですが、代表的な理由が5つあり、それぞれがなかなか解消しにくい問題となっています。
サカナへの苦手意識どんどん強くなり、なかなか好きになることが難しいようです。そこでまずは、最初にサカナから遠ざかってしまう代表的な5つの理由を紹介しましょう。
1.生臭い
サカナを食べなくなる代表的な理由の一つに、サカナ独特の生臭さが苦手な人も多いようです。特に、子供は嗅覚が敏感なため、異常に生臭さを感じてしまうことがあるようです。
子供のころに感じた苦手意識を払拭することが出来ず、大人になっても「魚の臭いが苦手」と思っている人も少なくありません。
2.食べるのが手間
サカナは肉に比べ骨が多く、食べる際に骨を避けたり、身から骨を外したりするのがめんどくさいと感じてしまう人も多いようです。また、これは特に大人の人の意見ですが、人前で食べる時に「きれいに食べられない」あるいは、「食べた後が汚い」などの理由で敬遠してしまう人もいるようです。
普段からサカナを食べて慣れてない人にとっては、箸で上手にサカナを食べるのはなかなハードルが高いのかもしれません。
3.調理がめんどくさい
切り身の魚を調理するのであれば、そこまで手間ではありませんが、一本まるまる捌かなければならないとなると、少し手が出し辛く感じる人もいるようです。
「鱗が飛び散る」、「三枚卸しができない」などの理由から敬遠されがちです。
4.ゴミが臭くなる
サカナを調理した時につきものなのが、生ごみの処理。例えば、一匹を丸々調理すると流れた鱗や内臓によって、排水溝が生臭くなってしまったり、部屋中サカナ臭くなってしまったりします。しかもこの匂いは、時間が経つにつれて強くなるため、生ごみを数日保管することになってしまうと、どんどん臭いがきつくなってしまいます。
こういった経験を一度してしまうと次回の時の思い出されて手が伸びなくなってしまいます。
5.お肉の方が割安
例えば、1パックのお肉を購入すると、小分けにして数回に分けて調理をすることができます。しかし、鮮魚の場合は、購入してから小分けにして冷凍したりすることはあまりありません。
1パックの金額が肉と魚で同じくらいだとしても、1回で食べきるか、数回に小分けにできるかどうかで、サカナではなく、お肉を選んでしまう主婦の方も多いようです。
ここに生ゴミの問題も乗っかってくると、なかなかサカナを選べないのかもしれません。
経験が必要な魚の調理(出典:PhotoAC)各所の取り組みを紹介
上記のような背景から、魚離れをしている現状に対して、国や企業は様々な取り組みをしています。そのいくつかをご紹介していきます。
国の取り組み
水産資源の適切な保存、管理、水産物の安定供給の確保などを任務とする水産庁は、「stop”魚離れ”」のプロジェクトを推進しています。このプロジェクトの一環として成24年から開始されたのが【ファストフィッシュ】という取り組みです。
水産庁は「ファストフィッシュ委員会」を設置し、ファストフィッシュの定義に合致する商品を選定し、それらの商品を積極的に普及させようとしています。
「ファストフィッシュの定義」
・「手軽」:料理時間、買い物時間の短縮が想定されるもの
・「気軽」:日常の食生活において、反復継続して購入することが可能な価格帯であるもの
・その他:新規需要の開拓の可能性があり、品質・食味等の面で独自性があるもの
近年では、2016年度から通常のファストフィッシュに加え、キッズファストフィッシュ(子供が好み、家族の食卓に並ぶ商品や食べ方等)、ふるさとファストフィッシュ(国産魚、地方独特の魚を利用した商品や食べ方等)の3カテゴリーに分けらるようになりました。
現在では3,316の商品が選定され、選定商品には魚のイラストをあしらった「Fast Fish」ロゴマークの使用が認められています。
全国のスーパーなどで販売されているため、魚を手早く食べたい時はこのマークの商品を選んでみて下さい。
企業の取り組み
いくつかの水産企業は年間を通して数回、地域の小学校などに赴いて、食育を育む機会を設けています。
こういった企画では、伝統的な食文化や魚食・水産業・栄養価に関する情報、おいしい食べ方などの価値を伝えることを目的にしています。
自分の生まれた土地の美味しいサカナや魚介類などの名産品を知らずに育っていく子供も少なくありません。
こういった地味な活動を続けていくことで、子供の魚への苦手意識をなくし、サカナを好きになっていく、水産業に興味を持つ機会を増やしていく狙いがあります。
個人でできることは
サカナが苦手にもいろいろな理由があり、「調理が苦手」という点においては「ファストフィッシュ」の導入などにより、以前より圧倒的にハードルが下がっているといえます。
また、最近では、生ごみを自宅で乾燥させることができる家電も開発され、においの問題も解決しやすくなりました。
そもそもサカナが嫌いという人にサカナを無理やりに食べさせることはなかなかできませんが、そういう方には一度、漁師町などで水揚げ直後の新鮮なサカナを食べてみて欲しいです。
もし、「なんとなく」で食わず嫌いをしているのであれば、絶対にサカナが好きになると思います。
日本人の魚離れが止まるのもあと少しかもしれません。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>
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December 13, 2019 at 09:00AM
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