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フナに始まりフナに終わる [大森均の釣れ釣れ草] - 大阪日日新聞 - 大阪日日新聞

マブナに比べ体高のあるヘラブナは、当時から釣りの対象魚としてもてはやされて今日に至っている

 釣りの世界で「フナに始まりフナに終わる」という言葉がある。釣り人の多くは、身近で入門しやすいフナ釣りがその端緒になり、長じて行動範囲が広がりフナ以外にも目覚めて渓流にヤマメやイワナを追い、アユの友釣りなんかにあこがれて深みに入る。

 さらに体力を生かした磯釣りなどで遠征と称して八丈島や五島列島にまで足を伸ばす。本人も自覚はないが、その頃には救い難い“狂”の付く釣り師に仕上がっている。時を経て、晩年には遠出も難しくなり少年期におぼえたフナ釣りに帰る。そんな平均的な釣り人の釣りの変遷を言い表した言葉だ。

▽小学3年では釣れないことが当たり前

 花博公園の近くに「念法さん」というお寺がある。記憶が正しければ、その西側に昭和40年代前半まで別所池という管理池があった。桟橋は朽ちているところもあったが、水深があり、その緑色の水をたたえた池の底にはじゅうたんを敷きつめたようにフナがいる、そんな雰囲気のする池だった。

 当時、父が営む洋服店に集団就職でやってきた私より8歳年上の堀さんという職人さんは、休みの度にこの別所池に通っていた。故郷の大分県津久見の自然豊かな小川などで小ブナなどを釣った経験程度はあったらしい。その郷愁が熱心に通う原動力であったように今は察せられる。

 ある日、小学生の私は、堀さんにせがんで生まれて初めてフナ釣りに出かけることになった。しかし、この釣行を含めて数回はまったく魚が釣れなかった。集中力が持続しない小学3年の私は、ウキを長時間ながめ続けていられなかったので、瞬時のアワセのタイミングが要求されるヘラブナ釣りでは釣れないことが当たり前であった。

▽右手は天を突いた!

 とうとうその日はやってきた。私は、小学4年生になっていた。お昼ごろだった。いつものように集中力も途切れかけたその時、十二尺のサオ先にあるヘラウキが一節押さえ込むように力のあるアタリを表現した。

 その瞬間の映像は、50年以上たった今も鮮明に覚えている。反射的に右手は天を突いた!サオは大きく弧を描いている。立ち上がって両手で拝むようにして強い引きに夢中で耐えた。水面近くで大きな波紋をつくって反転した魚と目が合ったような気がするほど、その距離は近い。魚も必死の抵抗を試みるが、こちらはもっと必死。

 無事、堀さんがタモですくってくれたヘラブナは30センチに近い体高のあるきれいな魚体だった。うれしかった。この強烈な成功体験は、小学生の私に水準以上の集中力を与えたようだ。途端に釣れ始めた。こうなると、次の日曜日も、また次も…。もう釣りのことしか考えていない少年時代。

 この1尾が与えた人生への影響は今振り返ってみると、とんでもなく大きい。釣りを続けてきた膨大な時間と情熱は違うものに置き換わっていたであろう。それが良かったのか悪かったのか…。

 とにかく、私も人並みにフナ釣りでスタートした初めの一歩はかくのごとし。

週末のイチオシ気配

■船(1)■北港・大阪

 半夜釣りのメバル&アジ堅調。メバル16〜25センチ15〜20尾とアジ20〜28センチ15〜30尾。15:00〜17:00集合。オモリ30号。要予約。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

■船(2)■東二見・兵庫

 明石大橋周辺に出てガシラ好調。同魚17〜28センチ30〜60尾にメバル20〜30センチ2〜3尾交じる。要予約。別船で寒マダコ0.3〜3.0キロ10〜20パイ。要予約。▽名田屋乗合船=電話078(912)7211

■船(3)■比井・和歌山

 日ノ岬沖でイサギ上昇気配。18日、同魚27〜38センチ91尾が竿頭。オモリ100〜120号、ハリ吹き流し3本針。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2318

■磯(1)■大引・和歌山

 これから4月上旬まではマダイがピーク。サクラ開花時期とマダイの来流時期は一致している。大型マダイ(70センチ超)には実績がある。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯(2)■神谷・和歌山

 チヌ狙いが尻上がりに良くなる。神谷の蟻島インキョ、蛇の鼻は大型の実績場。40〜50センチ3〜5尾見込める。▽佐知丸=電話0738(65)0736

■筏■衣奈・和歌山

 チヌ大型期待。18日、コイズキ筏で同魚46センチ48センチ2尾。ハリス2号、チヌ針4号、エサはオキアミ。▽中長渡船=電話0738(66)0657

■波止■西宮ケーソン・兵庫

 ハネ上昇。北港、南港、泉佐野、尼崎、西宮浜、ポートアイランドなど大阪湾全域で上向く。60センチまでのハネがいい人で4〜6尾。タナは3.0ヒロ前後。▽MAX武庫川店=電話06(6411)4848

■投げ■アジュール舞子・兵庫

 戻りカレイ期待。須磨から明石にかけて第一陣ともいえる釣果があった。25〜35センチ2〜5尾見込める。上昇必至。エサは青イソメ。▽MAX垂水店=電話078(753)3838

 (大阪日日APG 清水智之)

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March 20, 2020 at 09:50AM
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